こんにちは!わだちの犬飼です!
先日ご紹介したバルブ穴あきコペン2号のエンジンですが、着々と分解清掃作業が進んでおります。

こんなに汚かったピストンも・・・

付け置き洗いの効果でこんなに綺麗になりました!まるで新品のようですが同じものですよ!

ピストンには溝が3つ切ってあって、それぞれにピストンリングが付きます。一番下の溝はオイルリングが付く部分で、役割としてはシリンダー内のエンジンオイルを掻き落とす役目があります。掻き落としたオイルはどこへ行くのかというとピストンに空いた小さな穴を通ってオイルパンに戻るのですが、この穴がだいた詰まってます汗
画像はその穴を掃除している様子です。このような小さなオイルの通り道がエンジンにはたくさんあるので、オイルメンテナンスを怠ってドロドロのエンジンオイルの状態で使用しているとエンジンの寿命が縮む事は容易に想像できます・・・

一見綺麗に見えるピストンも、サイドスカート部分(画面中央の擦れた跡がある部分)は摩耗が進んでおります。
ここはエンジン内での爆発圧力をピストンが受けたときに、シリンダーと擦れる部分でもあります。
このサイドスカート部分の摩耗具合を測定して、このピカピカピストンが見掛け倒しではなくきちんと使える品なのかどうかを見極める必要があるのです。
ただ分解して掃除して組み立てるだけではオーバーホールとは言えませんからね!

というわけで、ピストンを計測中の絵です。
使用する工具はマイクロメーターと呼ばれる物の大きさを0.01mm単位で測定できる優れものです。
測定してみると使用限度値には達していなかったので、まだこのピストンを使用しても大丈夫そうです。
しかし、これだけで安心してはいけません。ピストンはOKでもその相方であるシリンダーの大きさも測って、お互いの大きさの差(ピストンクリアランス)を計算してみて許容範囲内かを調べる必要があります。
シリンダーも使用の過程で磨耗して大きくなっていくので、摩耗が進むとピストンクリアランスは大きくなります。
基準値を外れてしまった場合はオーバーサイズピストン(通常よりも少し大きなピストン)に交換して、それにあったシリンダーサイズになるように、シリンダーを削って広げます。

別にふざけているわけじゃないですが、なんだかにやけています笑
シリンダーゲージという工具を使って、エンジンシリンダー内径を測定している絵です。こちらも0.01mm単位で測定します。
ピストンクリアランスの測定結果は・・・・
セーフでした!許容範囲内だったので、ひとまずピストンリングのみの交換で済みそうです。
今回は予算の都合で最小限に留めましたが、例えばこのオーバーホール後もう20万キロ走ることが目標であるならば、許容範囲内でも交換することをお勧めします。許容範囲なだけであって摩耗が進んでいることには変わりないので。
ということで、ちょっと細かくピストンとシリンダーの話をしてみました!
こちらのエンジンはまたもや部品待ちなので、組み立てはしばらくお預けです( ;´Д`)
ではでは!