こんにちは!わだちの犬飼です!
更新が空いてしまい申し訳ございません・・・2月はバタバタしていて、私自身工場にいないことも多く、ブログネタを逃していたこともあり更新ができませんでした。
さてダイハツコペンを中心に整備をしているわだちにとって、コペンの車検は他の整備工場さんとは一味違う観点からの点検を実施します。

まずは手始めに灯火類のチェックをしてからアクティブトップの動作状況を確認。開閉時間や異音などがしないかを点検します。意外とありがちなのが開閉速度が遅くなり始めていてもオーナー様が気が付いていないケース。長くコペンに乗っていて徐々に遅くなっていく不具合には気がつきにくいです。
一旦遅くなり始めてから手でアシストしないと開閉ができなくなる要介助状況になってしまうまで悪化するスピードは意外と早いので、遅くなり始めた兆候を発見したらリビルトポンプへの交換をお勧めさせていただいております。

エンジンルームの点検。基本的なオイル漏れや油脂類のチェックのほか、よくあるコペン特有の不具合といえば・・・

インテークパイプのタービン上の裏側の部分の熱劣化による亀裂。コペンはプラグの点検でこのパイプを外す必要があるので、その際に必ず点検しています。こちらも割れてから交換でも良いのですが、予防も大切ですので製造年月日をチェックして、新車から未交換でしたら交換のご提案をしております。

コペンのオイル漏れの定番といえばヘドカバーガスケットからのオイル漏れ。こちらも車検整備と同時に行うケースが多くなっております。エンジン内部のコンディションも分かるのでチェックする観点からもお勧めです。

ヘッドカバーを外したらタイミングチェーンの伸び具合も必ずチェック。

リフトアップしてブレーキ周りの点検。ここは一般的な車と同様の点検で問題なし。

補機ベルト特にエアコンのベルトは傷みやすいので車検時に要チェックのポイントです。ここのベルトの交換はフロントバンパー脱着が必要なので少し手間がかかります。

オルタネーターも車齢が20年近いコペンでは予防の観点から早めの交換がお勧めな部品のひとつです。
走行距離が少なくても内部の電気部品は年数とともに信頼性が低下する部分にもなりますので、年数で区切って交換しましょう。ここが壊れてしまうと出先でレッカーにお世話になることに・・・
まだまだたくさんありますが、少しだけコペンの車検時のチェックポイントをご紹介しました!年間250台以上コペンを触っている当店だからこそできるアドバイスがございますので、ぜひ車検もご用命ください^^

話はエンジンオーバーホールの話題です。前回さらなる精度向上を目指して新品エンジンに匹敵するエンジンを作るべく研究中との話をしましたが、やはりその鍵はシリンダーヘッドにありますので、ヘッド周りの作業の研究を進めております。
画像はシリンダヘッドを裏返して燃焼室内のバルブ類とスパークプラグになります。ここの気密性がヘッド周り作業の肝になりますので、いかに効率良く精度良くここを仕上げられるかが課題です。


当店は内燃機関専門店ではないので、専用の大規模設備は備えていないのですが、少ない設備で匹敵する精度を出すべく新兵器を導入。

これはバルブシートカッターと言って、先ほどのシリンダーヘッドのバルブが収まっている部分の一番肝になるバルブとヘッドが接している部分を研磨して、当たり面を整え気密性を復活させる工具です。
今まではヘッド周りは擦り合わせ作業のみで気密性をある程度復活させていましたが、やはり新品に近づけるには更なる精度向上が求められます。

バルブの当たり面はこの様に荒れていて、ボツボツしています。これはカーボンの残りかすなどを噛み込んでしまった際に起こる傷で、特にエキゾースト側に多く見られます。
この傷から少しずつ圧縮が漏れてしまうこのでエンジンの調子が低下します。

先ほどのバルブシートカッターをうまく活用するとこの様に当たり面を綺麗に復活させることができ、この状態で最終的にバルブとすり合わせることで気密性を復活させます。
この作業は非常に手間がかかるので工賃はその分上がってしまうのですが、エンジンの調子は絶大によくなりますので、もう少し鍛錬してからメニューに追加していきたいと思います!
ではでは!