こんにちは!わだちの犬飼です。
先日ご紹介した1300CCのコペンですが、作業内容としてはエンジンを進化させます!
この1300CCのエンジンはK3VEという4気筒のNAエンジンなのですが、実はこのエンジンにはK3VE2というハイカム&ハイコンプピストン仕様のエンジンもあって、VEが90馬力なのに対しVE2は110馬力(ハイオクですが・・・)となる魅力あふれるエンジンなのです。
以前からこちらのお客様とは計画を練っていたのですが、残念ながらVE2のハイカムやピストンはすでに廃盤となっていて新品が手に入らない状況となっていて、半ば計画が流れそうになっていたところにお客様がVE2搭載のお車を見つけてくださり、再スタートとなりました。

ドナー車から下ろしてVE2のエンジンを開けてみると・・・

中身がまあまあ汚れいていましたので。こちらも分解してメンテナンスをすることになりました。
作業工程の都合でひとまずドナー車を先に仕上げます。こちらにはコペンから降ろしたエンジンを載せて動かせるようにします。
エンジンを載せ終わったところで問題が発生!
なんとエンジンがかかりません・・・
同じK3エンジンとは言え国内向けと欧州向けとでは細かなところが変わっていて、ECUなども異なっています。ですのでワイヤーハーネスなどは入れ替えずにそのままの物を使用したのですが、エンジン内部の部品にも違いがあるようです。
色々と点検を進めていると点火時期が基準から大きく外れていてエンジンが掛からないことが判明。近年の車は点火時期制御も電子制御ですのでコンピューター演算して点火時期を決定しています。しかしその演算には色々な情報が必要で、その中にクランクシャフトの位置や回転数を知るセンサーがあり、そこが怪しいと思い分解してみると・・・

画像下部の歯車のような部品がそのセンサー用のピックアップになります。
この部品のVE用とVE2用を比べてみると

やはり形状が若干異なっていました。ECUを入れ替えない以上、この部品は入れ替えてはいけなかったようです。ちなみに欧州コペンのECUはかなりのレアモノのようです。
国内向けのVEとVE2ではこの部品は共通でしたので、おそらく欧州向け専用の部品かと思います。
この部品を入れ替えて、再度車両にエンジンを載せたところ無事にエンジンはかかりました!
残るはコペンのVE2とトランスミッションを仕上げます!
ではでは!