こんにちは!わだちの犬飼です。
またもやなかなか更新できず、申し訳ないです・・・動画の方も撮りためてはあるのですが、その先がなかなか進まず・・・
さて今回はいつも通りコペンL880Kのアクティブトップ (電動オープン機構)の修理を行なっていましたが、いつもとはひと味違う?状況で少し苦戦しましたのでご紹介です!

奈良県から遥々ご来店ありがとうございます!ありがたいことに最近はアクティブトップ修理も遠方のお客様からのご依頼も増えてまいりました。
ご依頼内容としては調子が悪いのでLA400K(現行コペン)ユニットへの移植をご希望でしたが、点検してみるとその前にアクティブトップ自体が正常に作動しない状態でしたので、まずはここから修理です。
LA400ユニットをインストールするにあたってまずは作動する(動きは遅いはずですが・・・)ことを確認するのですが、今回のケースはルーフボタンを操作してもウントもすんとも言わず、トランクオープンボタンも反応しません。
そんな時に便利なのが診断機のデータモニター機能です。十数個あるアクティブトップ関連のセンサーをECUがどの様に認識しているのかをみることができます。
データモニターを見てみると、ラゲッジ全閉認識がされていない状況(車両がアクティブトップ動作中と思っている。)であることがわかります。ここまではよくある症状で、油圧ポンプ等の異常でオープンクローズ動作があまりにも遅いと、ラゲッジを最後まで閉じ切ることができなくて、作動が完結しないママになってしまい、アクティブトップ動作中はトランクが開けられなくなります。

全閉及び全開認識は左の油圧シリンダーについているセンサーで行なっているので、ここが閉じ切っていないとECUはアクティブトップの動作途中と認識するのでここを手動で閉じてあげると動作が完結するはずなのですが、今回は押しても閉じきりません。
油圧の力を借りて閉めようと試みますが今度はアクティブトップの自体も作動しません・・・これにも理由があって、データモニターを見てみるとトランクモード(通常のトランクを開ける動作でのトランクが開いている状態)とも認識されている為、アクティブトップが作動停止しています。当然トランクが開いている状態ではアクティブトップは作動しません。
冒頭の奈良ナンバーの画像の様に、トランクが開け閉めできる様に応急処置されてしまっていたので、この様にお互いのセーフティー機能が二重に働いて、身動きが取れない状況になってしまっていました。

油圧のシリンダーが手で引っ込まない以上、トランクモード終了させる必要があります。
実はこの車両、サイドのトランクのセンサーの相手側も故障していてうまく認識できない状況になっていました。

当店は細かなセンサーの一つ一つまで在庫しておりますので、基本的にはどんな故障でも対応できます。
ここの部分を手直しし、うまくコンピューターを騙すことでトランクモードを終了させて、アクティブトップ動作自体はする様になりましたが予想通り動作は遅いので、ここで初めてLA400ポンプ 移植へと移らせていただきました。

ちなみに左の油圧シリンダーが奥まで戻らなかったのは、内部でワッシャーが噛み込んでいたのが原因でした(^◇^;)
こんなところにこんなワッシャーは存在しないので、誰かがいじった時に混入したのでしょう。
ECUとセンサーの関係をよく理解して、うまくECUを騙すことで色々な修理や遊びも可能となります笑

LA400ユニットも無事にインストールして作業完了です!
お客様は購入当初からこの状態だったそうで、初のアクティブトップに喜んでいただけました^ ^
最近はDIY等で行なっている方もいるそうですが、一見簡単に取り付けできそうな部分が、実は加工しないと知らず知らずのうちに干渉していて他部品にダメージを与えているケースもありますので、注意が必要です!
移植作業も既に20台以上実施させていただいております。少し値は張りますが、長い目で見た時の故障リスク等を考えるとランニンングコストは良いのでは?と思っております。
ではでは!