こんにちは!わだちの犬飼です。
今日はコペンの故障診断のご紹介。ホーンが鳴らないとのことで、ホーン自体を新品に変えてみたが症状が変わらずご来店。
配線図を参考に電源側から点検してみると、電源は問題なくリレーまでの回路は正常でした。
コペンのホーン回路はアース制御ですので、電源→ホーン本体→リレー→ボデーアースといった流れになります。
ボデーアースは集合アース(他の回路と共通のアース)でしたので、ここがダメな可能性は低く、一番疑わしいリレーを点検してみることに。
ステアリングのホーンボタンを押してみるとカチッカチッとリレーが作動する音が聞こえるので、ステアリング周りやリレーのコイル側の回路は問題ないようです。
そうなるとリレーの接点不良や接触不良が疑われます。
コペンのホーンリレーはステアリングコラム内、ディマースイッチに内蔵されているので単体で交換したりすることができません。

これが問題のディマースイッチの基板、左右にウインカーとワイパーのレバーが付いています。この基盤の中にリレーが内蔵されているのですが、なんとこの部品全体がオイルのような液体で汚れています。
車内ですのでエンジンオイル等が侵入するはずもなく、色々観察していると・・・

伝わりにくいですが内装に艶出し材が塗られていて、その余剰分がステアリングコラムに垂れてしまっています。おそらくスプレーで吹き付けすぎたのでしょう。お客様も心当たりはなく、納車された時からこの状態だったそうです。


コネクター周りもオイルで汚れてしまっています。
一か八かで基盤部分やリレーを清掃してみましたが改善せず、仕方なくうちの手持ち中古部品と交換してホーンはバッチリ作動するようになりました。
内装の配線やコネクタは防水加工(エンジンルーム等外のコネクタはされています)されていませんので飲み物やこういったオイル類が付着すると故障の原因になります。
今回はホーンが鳴らなくなっただけでしたが、逆に鳴りっぱなしになったりする可能性もあったので、要注意ですね(^◇^;)

ホーン本体の点検のついでにラジエーターキャップの破損も発見。
エンジンルームを開けて見る時にキャップが純正のままの場合は必ずホースを触って張り具合を点検するようにしています。
ラジエーターキャップが壊れていると圧力を保持できないのでホースもふにゃふにゃのままで、その状態だと冷却水が沸騰してしまい、オーバーヒートしてしまいます。
圧力を高めて沸点を上げていますので、安い部品ですが重要な役割を担っています。
夏前に発見できて良かったです!
ではでは!