こんにちは!わだちの犬飼です。
毎日コペンを触っている当店にとって、他整備工場で迷宮入りの難病でもコペン定番の故障だったりするとものの数分で修理できたりします。

こちらのコペンさん、時折エンジンが原因不明に振動するとのことでひとまず同乗していただいて走行テストを実施。
しばらく走行しているとアイドリング中に不具合現象が現れました。故障診断作業で一番大事なのは不具合現象をきちんと再現させる事と言っても過言ではありません。
お客様が気にされていた振動は当店にとってはよくある不具合でしたので、簡単に原因を特定することができました。

その原因とは、イグニッションコイルです。
イグニッションコイルが完全に死んでしまうと、3気筒になってしまうので露骨にエンジンが振動してすぐに異常だとわかるのですが、死にかけている状況だと不具合として分かりにくいので診断が難しかったりもします。
AT車の場合コイルが死にかけているとDレンジで信号待ちをしている状況などでエンジンが僅かに脈動したり息継ぎしたりします。その異変をお客様は変な振動と表現していました。
他に起こる不具合としては、MAXブーストがかかっている加速時などに失火して息継ぎを起こします。(ブーストがかかっている時の燃焼室内は過酷な状況になるので、点火する力が弱いと火花を飛ばせなくなります。)
イグニッションコイルを交換して振動もなくなりエンジンも快調に!
死にかけている状況だと通常走行や加速時もパワーが落ちますので、コイルを交換するとパワーアップして燃費も良くなります(^ ^)

続いてはマイナートラブルのご紹介。
このスイッチ、どこのスイッチか分かりますでしょうか?

正解は・・・
コペンのトランクに付いているスイッチになります。
今回の不具合はオープンも出来なくてトランクも閉まらないと言う故障です。
コペンのオープン機構はトランクが開いている状況では作動しませんので、一旦トランクを閉じるようにしてあげないとオープンの診断もできない状態です。
スイッチ部分を手で押してみると、いつものカチカチ感がありません。スイッチ本体が壊れていました。
ここの建て付け不良で同様の不具合になることはよくあるのですが、このスイッチが故障しているのは稀なケースでした。
流石にこの部品の在庫はないので、部品取りコペンさんから拝借して無事に修理完了!
トランクが直るとオープン機構もバッチリ動作するようになりました。

工場ではいつものようにコペンのエンジンが降りております。
こちらの赤コペンはレンタカーにする予定のコペンさんです。1台新品エンジン&タービン、新品純正サスペンション仕様のコペンを用意しますので、その準備中です。
新車の乗り味を体験していただける1台に仕上げる予定ですので今しばらくお待ちください!

今月から新入社員が入ってくれましたので、エンジン降ろしのイロハを伝授しております。
コペンの整備は色々とクセが強い部分が多いので一苦労ですが、早く慣れてくれることを願っております。
ではでは!